表皮の構造としくみ

表皮の構造としくみ

男もスキンケアをする前に、知っておきたい基礎知識−3

化粧品が作用する表皮

肌の一番上層に当たるのが表皮です。
化粧品が有効に働くのは表皮までなので、表皮の働きを知ることは適切なスキンケアを行う上でとても重要なことと言えます。

4層に分かれる表皮


表皮は約0.2mmほどの厚みですが部位によって厚みは異なり、足の裏や手のひらなどは厚みがあり、目の周りはとても薄くなっています。
表皮は上から角質層・顆粒層(かりゅうそう)・有棘層(ゆうきょくそう)・基底層に分かれており、最下部の基底層で生まれた細胞が細胞分裂を繰り返して移動し、最後は垢やフケとして剥がれ落ちます。表皮で行われる細胞が生まれて剥がれ落ちるまでの期間をターンオーバーと言い、肌の美しさや保湿機能と深く関わっています。

また皮膚の表面には皮脂膜という汗と皮脂が混ざってできた膜が形成されていて、潤いをキープする蓋の役割を果たしています。

角質層ー水分保持やバリア機能を司る

角質層には角質細胞が10〜20層ほど重なっていて厚みは約0.02mmですが、水分保持やバリア機能という大切な役割を司っています。

角質細胞には天然保湿因子(NFT)が含まれ、細胞に水分を引き寄せて蓄えるため、角質を潤す役割を担っています(A)。
また、細胞と細胞の間を埋める細胞間脂質と呼ばれる部分にはセラミドが存在します。セラミドは脂質ですが親水基という部分があり、一方で水分、もう一方で油分を捕まえて層状のラメラ構造を作り、水分を保持して健康な肌を保つとともに外部刺激に対するバリア機能を作り出します(B)。

通常角質層は15〜20%の水分を含んでいますが、水分が10%以下になった状態を乾燥肌と言います。

ターンオーバーにより角質層の表面まで押し上げられた細胞は、アカやフケとなり剥がれていきます。

顆粒層ー角質を形成する準備

角質層のすぐ下にあり、2〜3層の顆粒細胞という細胞で構成されています、
顆粒細胞にはガラス質状の顆粒が含まれていて、紫外線を反射させ肌深部への侵入を防ぐ働きをしています。

また天然保湿因子や細胞間脂質の原料が作られるのもこの顆粒層で、角質を形成する準備が行われる層でもあります。

有棘層ー表皮の中で最も厚い


基底層のすぐ上にある層で5〜10層の有棘細胞から構成され、表皮の中で最も厚みがある層です。
細胞と細胞が棘で結ばれているように見えるためこのように呼ばれています。

有棘層の細胞間にはランゲルハンス細胞という免疫に関与した細胞が存在し、細菌や花粉などの異物の侵入を身体に伝える役割を持っています。
有棘細胞の間は隙間があり、その間をリンパ液が流れて栄養を運搬しています。

基底層ー表皮の細胞が生まれる場所


角質細胞の元が生まれる基底層は1層で、基底層細胞と呼ばれる角質細胞の元が95%を占めています。
基底層には基底層細胞の他に色素細胞(メラノサイト)が5%ほど存在し、紫外線やこすれなどの刺激を受けた時にメラニンを生成して肌を守る働きをします。

メラノサイト自体は人種や性別によって割合に差はありませんが、メラノサイトの大きさや生成されるメラニン色素の量は人種・性別・外的環境に差が大きくなります。

基底層の一番下には表皮と真皮の境目となる基底膜があります。
若くてハリのある肌の基底膜はしっかり曲線があって皮膚に弾力性がありますが、老化によって基底膜の曲線が伸びて扁平になると肌の弾力が失われます

皮脂膜ー皮膚の保護と柔軟性に大きな役割

皮膚表面には汗と皮脂が混じってできた皮脂膜が形成されています。
汗や皮脂というとどちらも厄介な存在に思えますが、肌表面からの水分蒸発を防ぐとともに皮膚を保護し、肌表面の柔軟性を保つために大きな役割を果たしています。

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